ⅩⅢ 核医学検査用薬剤,負荷試験薬剤
核医学検査用薬剤(放射性医薬品)投与で最も重要なことは,被検者の放射線被ばくの問題であり,小児を対象に行う場合には検査の適応および検査のスケジュールを十分に検討するべきである.その上で,核種および投与量を決定し,負荷および安静時の同日複数検査を施行するのであれば投与間隔を決定する.しかし,放射線被ばくを懸念するあまり,過少の薬剤投与によって,結果として不正確な画像診断に至ることは避けなければならない.また,一定の時間を要する画像収集時には,アーチファクトを避けるため確実な体動の抑制が必須である.小児では放射線感受性が高くかつ生殖年齢も長く,核医学検査を含む低線量放射線被ばくでは,小児の特徴を念頭においた薬剤投与計画が重要である.また,検査の目的によって投与量が異なることも特徴である.
核医学検査用負荷試験にはアデノシン,アデノシン三リン酸(以下ATP),ジピリダモール,ドブタミンが用いられ,2011年現在の負荷試験薬剤として国内で承認
されているのはアデノシンのみである.
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小児期心疾患における薬物療法ガイドライン
Guidelines for Drug Therapy in Pediatric Patients with Cardiovascular Diseases ( JCS2012)