1 妊婦の薬物吸収の変化
妊婦では,血漿プロゲステロン値の上昇により消化管の運動能が低下して,胃内容物排泄速度は30~ 50%遅延することが知られている50).このため内服した薬物の吸収も遅延する可能性があり,迅速な薬効を期待する状況下では影響が生じる可能性がある.また,妊婦では胃酸の分泌が減少するため胃内pHが上昇することが知られており,溶解と吸収量が胃の酸度で高くなる薬物では,溶解度・吸収量が低下する可能性がある.
小児期心疾患における薬物療法ガイドライン
Guidelines for Drug Therapy in Pediatric Patients with Cardiovascular Diseases ( JCS2012)