1 心臓移植
日本小児循環器学会移植委員会では,現行法施行以来10年以上に渡って,毎年の小児心臓移植適応症例について,評議員に対するアンケートの形で全国調査を行ってきた.その結果から,我が国で心臓移植適応の小児(18歳未満)は毎年50例(10歳未満は30例)あり,拡張型心筋症(DCM),拘束型心筋症(RCM)が多い636).
2011年1月末までに日本循環器学会で15歳未満の小児90例が移植適応と判定された.その内,ネットワークに登録されたのは16例に過ぎず(国内移植5 例,海
外移植5例),44例が国内で登録せずに,海外渡航移植している.
1988年から2009年10月末までに78例の小児が海外で心臓移植を受け,法施行後に増加している.渡航先は米国,ドイツ等で,平均8.4歳,男児39例,DCM53 例,
RCM17 例であった.26例がブリッジ症例であった.移植後12例が死亡したが,1,10及び20年生存率は各々97.3,83.3%,および83.3%と非常に良い.また国内で,
15歳未満で心臓移植を受けた5例は最長11年で全例生存中である(2011年1月末現在).
小児期心疾患における薬物療法ガイドライン
Guidelines for Drug Therapy in Pediatric Patients with Cardiovascular Diseases ( JCS2012)