2 ブドウ球菌(Staphylococcus)属
S. aureus(黄色ブドウ球菌)はその多くがペニシリナーゼ産生株であるため,PcGやABPCは無効である場合が多い.したがって,メチシリン感受性黄色ブドウ球菌
(MSSA)であればセファゾリン(cefazolin: CEZ)を用いる(クラスIIa,レベルB).ABPCとクロキサシリン(cloxacilli)との合剤も有効である.治療期間は6週間を原則とする538),540).併用療法は,アミノグリコシド系薬との組み合わせを選択する(クラスIIa,レベルC).MRSAに対しては,VCMが第一選択薬となる.また,テイコプラニン(TEIC) も治療効果があるとされる538),540),545).VCM,TEICを使用する際には,血中濃度を測定し投与量を調整する. リファンピシン(rifampicin: RFP)は黄色ブドウ球菌に対して薬剤感受性が良く,併用効果が期待できるが,自然耐性を生じやすい.S. epidermidis(表皮ブドウ球菌)に対する治療は,黄色ブドウ球菌に準じて行う.
小児期心疾患における薬物療法ガイドライン
Guidelines for Drug Therapy in Pediatric Patients with Cardiovascular Diseases ( JCS2012)