1 レンサ球菌(Streptococcus)属
 ペニシリンG(PcG)感受性レンサ球菌属の治療は,ベンジールペニシリン(benzylpenicillin: PcG)が第一選択となる(クラスI,レベルB).血管痛や静脈炎を起
こす場合はアンピシリン(ampicillin: ABPC),セフトリアキソン(ceftriaxone: CTRX)も選択可能である(クラスIIa,レベルC)538),540).PcG低感受性株,耐性株で
ある可能性を考慮し, ゲンタマイシン(gentamicin:GM)等のアミノグリコシド系薬の併用を行う(クラスIIa,レベルC)538),540),543).通常レンサ球菌属はアミノグ
リコシド系薬の感受性が悪いが,臨床的には併用効果が認められる.治療期間は原則PcGなどのβラクタム系薬は4週間,アミノグリコシド系薬は2~ 4週間とする.
S. pneumoniae(肺炎球菌)は,PcG耐性株が多く,セフェム系薬にも耐性を示すことも多い.我が国における多施設共同研究の結果では,カルバペネム系薬が有効であった544).バンコマイシン(vancomycin: VCM)は,PcG耐性菌やペニシリンアレルギーのある患児に対して,使用可能である540)
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小児期心疾患における薬物療法ガイドライン
Guidelines for Drug Therapy in Pediatric Patients with Cardiovascular Diseases ( JCS2012)