7 遺伝性の高血圧
①定義・疫学

 原発性グルココルチコイド抵抗性やグルココルチコイド奏功性アルドステロン症,apparent mineral corticoid Excess Syndrome,Liddle症候群,hypertension exacerbarted by pregnancy等が含まれるが,いずれも稀な疾患である.ミネラルコルチコイド受容体やグルココルチコイド受容体の遺伝子異常,グルココルチコイドの代謝酵素の遺伝子異常等により,ミネラルコルチコイド過剰症状としての高血圧をきたす385,398)

②薬物療法の実際

 ミネラルコルチコイド過剰症状に対して抗アルドステロン薬の投与を行う.また内因性コルチゾルの分泌抑制のためにグルココルチコイド投与を行う事もある.ただ
し,Liddle症候群では抗アルドステロン薬は無効であり,トリアムテレンが著効する.またhypertension exacerbated by pregnancyにおいては抗アルドステロン薬の投与により高血圧が悪化する事がある385),398)
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小児期心疾患における薬物療法ガイドライン
Guidelines for Drug Therapy in Pediatric Patients with Cardiovascular Diseases ( JCS2012)