2 治療
①頻拍停止
(1) 血行動態が不安定な場合には緊急に電気的除細動を行う.(クラスIIa レベルC)
(2) 血行動態が不安定でなければ解離速度の速いNa チャネル遮断薬(リドカインやメキシレチンなど)を静注する.有効であれば点滴静注を持続する.
(3) 右脚ブロック・左軸偏位型の心室頻拍
Caチャネル遮断薬(ベラパミル)を静脈内投与する.(クラスIIa レベルC)
(4) 左脚ブロック・下方軸型の心室頻拍
ATPの静脈内投与を行い,効果がなければβ 遮断薬,さらに効果がなければNa チャネル遮断薬の投与を行う.(クラスIIa レベルC)
(5) その他の場合
中間型の解離速度を持つNa チャネル遮断薬(intermediate drug)(プロカインアミドなど)や他のNa チャネル遮断薬を静注する.
②頻拍予防
(1) 右脚ブロック・左軸偏位型の心室頻拍
Ca チャネル遮断薬を投与する.効果がなければβ遮断薬やNa チャネル遮断薬(ジソピラミド305),プロカインアミド,メキシレチン308)-310),フレカイニド306),
307)など)も有効な事が多い.(クラスIIa レベルC)
(2) 左脚ブロック・下方軸型の心室頻拍
β遮断薬やCaチャネル遮断薬を投与する.Na チャネル遮断薬(ジソピラミド297),プロカインアミド,フレカイニド306),307),311),312)など)も有効な事が多い.
(クラスIIa レベルC)
(3) 運動時や交感神経緊張時に出現するもの
β遮断薬315),316)やCa チャネル遮断薬を投与する.(クラスIIa レベルC)
(4) 難治性の場合
Kチャネル遮断薬(ソタロール317)など)やアミオダロン318)-320),ベプリジルを投与する.(クラスIIa レベルC)
小児期心疾患における薬物療法ガイドライン
Guidelines for Drug Therapy in Pediatric Patients with Cardiovascular Diseases ( JCS2012)