4 腎臓移植
日本小児腎臓病学会の調査によれば,1998~ 2003年までの6年間における小児(15歳未満)末期腎不全患者数は347例で,発症頻度は100万人当たり3例とされている637).原疾患としては,先天性形成不全腎(低・異型性腎)が37%と最も多く,ついで巣状分節性糸球体硬化症が12%である.ほとんどが導入時期透析療法と
して腹膜透析を選択しているが,これらの患者の48.6%が透析導入5年以内に腎移植治療へ移行している637).これは,2000年に16歳未満の小児に一律14点の加算がつくようになったため,心停止後腎移植が小児に優先されるようになったことも大きい.
2001~ 2007年に移植された18歳未満の生体腎移植537例の,1,3及び5年生着率は97.8,95.0および90.4%,18歳未満の心停止後腎移植62例の1,3 及び5 年生存率は各々95.2,87.8及び79.1%で,各々20~ 39歳未満の成人と差はなく,40歳以上より有意に良好であった634).
小児期心疾患における薬物療法ガイドライン
Guidelines for Drug Therapy in Pediatric Patients with Cardiovascular Diseases ( JCS2012)