その特徴を以下に示す536),541).基礎疾患の多くは,CHDである.感染経路の判明例は,歯科処置(全体の12%程度)ついで心臓外科手術(8%)に起因する.左心系よりも右心系IEの頻度が高い(46% vs 51%)ため,心不全合併,栓塞発生頻度は低い.小児は採血が困難で,血液培養回数が少なく,原因菌が不明なことが多い.真菌性IEは成人に比べて少ない.弁輪部感染が少なく心エコーが見やすいことから,経食道エコー法を用いることは少ない.抗生物質治療は副作用が少なく,概ね良好な結果を示す.左心系IE,機械弁感染は少ないが,右室流出路形成術,大動脈肺動脈吻合術,欠損孔閉鎖術などに用いる人工材料感染が多く,急性期に心臓血管外科手術の適応となることが多い542).