1 疫学
1997年から2001年までに入院した感染性心内膜炎(Infective endocarditis, IE)患者に関して行った日本小児循環器学会の調査研究が報告されている535).134施設で291件のIE症例があり,先天性心疾患(CHD)入院患者数の0.71%(291/41151)を占めた.そのうち成人CHDは29%であった.
従来のIEの発生頻度は,1/4500CHD入院患者から1/1280 CHD入院患者であった536),537).これらの報告と比べ,我が国の発生頻度は高く,世界的にIEの発生頻度が増加していると考えられる537).これはリスクの高い修復術後成人患者が急激に増加していることと,中心静脈ラインを用いた集中管理を要する期間が長い新生児,乳児期の心臓血管手術後患者数の増加によると推測されている535),536).
小児期心疾患における薬物療法ガイドライン
Guidelines for Drug Therapy in Pediatric Patients with Cardiovascular Diseases ( JCS2012)