2 定義
 川崎病の診断は診断の手引き第5版199)に基づいて行う.以下に示す6つの主要症状のうち5つ以上の症状を伴うものを川崎病とする.

 (1)5日以上続く発熱(ただし,治療により5 日未満で解熱した場合も含む)
 (2)両側眼球結膜の充血
 (3)口唇,口腔所見:口唇の紅潮,いちご舌,口腔咽頭粘膜のびまん性発赤
 (4)不定形発疹
 (5)四肢末端の変化:(急性期)手足の硬性浮腫,掌蹠ないしは指趾先端の紅斑
               (回復期)指先からの膜様落屑
 (6)急性期における非化膿性頸部リンパ節腫脹

 ただし,上記6主要症状のうち,4つの症状しか認められなくても,経過中に断層心エコー法もしくは,心血管造影法で,冠動脈瘤(いわゆる拡大を含む)が確認され,他の疾患が除外されれば川崎病と診断する.主要症状を満たさなくても,他の疾患が否定され,本症が疑われる不全型川崎病患者が約18%存在する.この中には
冠動脈瘤(いわゆる拡大を含む)が確認される例がある.
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小児期心疾患における薬物療法ガイドライン
Guidelines for Drug Therapy in Pediatric Patients with Cardiovascular Diseases ( JCS2012)