投与経路・用量・用法作用発現時間最大血中濃度血中半減期主な副作用注意事項・禁忌 点滴静注10分(イヌ) 30分持続静注中止後1分 不整脈(8.4%) 重大な副作用:麻痺 イレウス,末梢虚血 慎重投与:末梢血管障害 点滴静注1~20μg/kg/分(成人) 腎排泄 点滴静注2~20μg/kg/分162)-165) 点滴静注1~20μg/kg/分160) 点滴静注2.5~20μg/kg/分166) 点滴動注2~20μg/kg/分163) 投与経路・用量・用法作用発現時間最大血中濃度血中半減期主な副作用注意事項・禁忌 点滴静注10分(ヒト) 10~15分持続投与中止後3~4分 不整脈(1.0%) 禁忌:閉塞性肥大型心筋症 1~20μg/kg/分腎排泄 2~20μg/kg/分 163)-165) 2.5~20μg/kg/分160) 5~20μg/kg/分160),162) 点滴動注2~20μg/kg/分163) 投与経路・用量・用法作用発現時間最大血中濃度血中半減期主な副作用注意事項・禁忌 吸入 0.3mg/回以内データなし 腎排泄 頻脈,高血圧,不整脈,重篤な血清カリウム値の低下 皮下注 筋注 0.2~1mg 3~10分 静注0.25mg/回 5~15分ごと 局所麻酔薬に添加:10mLに1~2滴 原液あるいは5~10倍希釈液を直接塗布 点鼻・噴霧・タンポン10μg/kg動注静注163),静注177)-179) 禁忌:高血圧 気管内投与 100μg/kg163),177)-179) 心腔内投与 0.005~0.01mg/kg179) 静注10~30μg/kg179) 持続静注(中心静脈)0.1~1.5μg/ kg/分165) 5分(成人) 3.5分 持続静注(中心静脈)0.1~0.5 μg/ kg/分162) 持続静注( 中心静脈)0.1~1μg/ kg/分163),164) 持続静注( 中心静脈)0.05~ 2.0μg/kg/分 160),166) 投与経路・用量・用法作用発現時間最大血中濃度血中半減期主な副作用注意事項・禁忌 点滴静注 2~4μg/分(成人,添付 文書) 5分 データなし 腎排泄2.4分181) 重大な副作用:徐脈 禁忌:高血圧 皮下注 成人0.1~1mg/回 点滴静注 5分(成人) 高血圧,重度の血管収縮および末梢虚血,不整脈 持続静注(中心静脈)0.1~2 μg/kg/分163) 持続静注( 中心静脈)0.05~0.1μg/kg/分162),164) 持続静注(中心静脈)20~100 ng/kg/分 ~1μg/kg/分165) 持続静注( 中心静脈)0.05~0.5μg/kg/分 166)
一般名商品名作用機序剤形適応Dopamine イノバン交感神経α1,β 1,DA1受容体刺激(アンプル) 急性循環不全 50mg 100mg 200mg (シリンジ) 50mg 150mg 300mg 一般名商品名作用機序剤形適応Dobutamine ドブトレックス心筋β1(β2,α 1)受容体刺激(アンプル) 急性循環不全における心収縮力増強 100mg (ボトル) 200mg 600mg 一般名商品名作用機序剤形適応Adrenaline ボスミン交感神経α,β1,β2受容体刺激(アンプル) 気管支痙攣1mg 急性低血圧・ショック心停止局所麻酔薬の作用延長局所出血虹彩毛様体炎時における虹彩癒着の防止 小児蘇生 新生児蘇生蘇生からの回復後,急性心不全(小児) 一般名商品名作用機序剤形適応Noradrenaline ノルアドレナリン交感神経α,β1,β2受容体刺激(アンプル) ショック,急性低血圧 1mg 過度の血管拡張に伴う低血圧(小児)
①ドブタミン ドブタミンは当初循環不全成人に対する陽性変力カテコラミンとして開発された156) .β刺激作用を有し,心収縮性の増大および末梢血管拡張と軽度の心拍数増加 を引き起こす157) .心筋血流の改善作用を併せ持ち,変時作用に伴う心筋酸素消費量増大と相殺する158) . ドブタミンは単剤で使用される急性循環不全治療薬として,あらゆる年代でもっとも汎用されている薬剤である.ドブタミンの魅力は単剤で陽性変力作用と体血管および冠血管拡張作用を併せ持つという,他のカテコラミンにはない特徴である.この特性から術後の体外循環離脱や急性心不全初期治療に乳児や学童でも汎用され る159) . 変時作用が少ないという利点もある160) .[適応] ・国内適応:急性循環不全における心収縮力増強として承認される(クラスI,レベルC).低出生体重児,新生児,乳児,幼児又は小児に投与する場合には,観察を十分に行い少量より慎重に開始する.開心術後に心拍数が多い小児等に投与し,過度の頻拍を来したとの報告がある(クラスIIa,レベルC).ドブタミンは過度の頻脈を 生じるため,未熟児の血圧上昇に対してドパミンほど有効ではないし,すでにドパミンを使用している患者への追加効果はない161) (クラスIIb,レベルC). ・国外での動向:FDAでは小児に対する使用は正式には承認されていない.成人に対しては心拍出量減少を伴う心不全への使用が承認されている.英国での同薬添付文書には小児への有効性は確立されていないと記載されている.[用量] 国内での小児用量としては5 ~ 20μg/kg/分とされる162) .成人量として通常 1分間あたり1~ 5μg/kgを点滴静注する. 海外での小児用量は2 ~ 20μg/kg/分163)-165) ,5~20μg/kg/分(5),2.5~ 20μg/kg/分166) とされる.投与量は患者の病態に応じて望ましい心血管効果が得られるまで適宜増減し最適な投与量を維持す る164) .必要ある場合には1 分間あたり20μg/kgまで増量できる.DRUGDEXⓇ2.0では17歳以下の小児患者に対する最大投与量は40μg/kg/分とされる167) .[小児での薬物動態] 平均年齢5.2歳の小児において全身クリアランスは151mL/分/kg(点滴静注;7.47μg/kg/時),分布容積は1.13L/kg,点滴静注終了後の血中濃度推移に関しては, 2相性の消失がみられた患者と1相性の消失がみられた患者の二つに分けられる.分布相における半減期(t1/2α)は1.65分(両グループ間に差はあまりみられない), また消失相における半減期(T1/2β)は25.8分であった168) .[相互作用] β遮断剤:本剤の効果の減弱・末梢血管抵抗の上昇が起こるおそれがある. アルカリ溶液内で不安定となるため炭酸水素ナトリウムとの混合は避けるべきである164) .[禁忌] 閉塞性肥大型心筋症の患者(左室からの血液流出路の閉塞が増強され症状を悪化するおそれがある).ドブタミン塩酸塩に対し過敏症の既往歴のある患者.[副作用] 承認時における安全性評価対象例521 例中,臨床検査値の異常変動を含む副作用は30 例(5.8%)に認められた.主なものは頻脈12例(2.3%),心室期外収縮12 例(2.3%),血圧上昇4 例(0.8%)等であった.再審査終了時における安全性評価対象例6506例中,臨床検査値の異常変動を含む副作用は166例(2.55%)に認められた.主なものは頻脈65例(1.00%),心室期外収縮43例(0.66%),上室期外収縮10例(0.15%),洞頻脈10例(0.15%)等であった. ②ドパミン ドパミンは内因性の神経伝達物質として1958年に発見され169) ,後に昇圧作用170),171) と心臓への直接作用172) を有することが判明した.α,β,ドパミン受容体を刺激し,ドパミン受容体刺激作用による血管拡張に始まり,高用量ではαおよびβ受容体刺激に伴う一連の生理的反応を惹起する.理論的な用量相関効果のスペクトラムから,低用量を腎用量,高用量を心臓用量とする使用法が一時ひろく用いられた(クラスIIb,レベルC).しかしこの用量選択的効果を実証した報告はなく,今やこの概念は過去のものとなりつつある173) .ドパミンを投与した際に認められる生理的反応は,収縮性の増加,心拍数増大,血管緊張の増大であり体血管拡張を示唆する反応は全く見られない.ただし高用量になるほどα刺激作用が増大する160) .いずれにせよドパミンは体血管や肺血管をともに収縮させ,自身の陽性変力作用を打ち消してしまうため循環不全の乳幼児には単剤では使用しづらい(クラスIIb,レベルC).体血管拡張薬とドパミンを併用することである程度使えるようになるが(ク ラスIIb,レベルC),小児ICUではあまり使用されていない159) .[適応] ・国内適応:急性循環不全(心原性ショック,出血性ショック)として承認されるが小児等への投与は設定されていない(成人同様の注意が必要である).ただし国内 承認申請の際の臨床試験において5 歳以下の患者25名(15%)および6歳から20歳の患者12名(8%)が含まれており安全性に全体との差はないとされる. ・国外での動向:FDAでは小児に対する使用は正式には承認されていない.しかし使うとすれば初期量として2~ 5μg/kg/分で開始し 5~ 10μg/kg/分で維持し,最大 30μg/kg/分とされる.成人最大量は50 μg/kg/ 分である.EMEA(欧州医薬品庁)では小児のドパミン使用に関する記載はない.[用量] 国内での小児用量としては2~ 20 μg/kg/ 分とされる162) .成人量として1 ~ 5μg/kg/分,最大20μg/kg/分.海外での小児投与量は2~ 20μg/kg/分163)-165) ,1~20μg/kg/分以上160) ,2.5~ 20μg/kg/分166) とされる.FDAでは初期量として2~5μg/kg/分で開始し 5~10μg/kg/分で維持し,最大30μg/kg/分としている.成人最大量は50μg/kg/分である.いずれにせよ患者の病態に応じて望ましい心血管効果が得られるまで適宜増減し最適な投与量を維持する164) [小児での薬物動態] ① 新生児患者11例(在胎週数34± 4.5週,日齢30.4±18,出生体重2.38± 0.93kg)に対しドパミン持続静注(5~ 20μg/kg/分) 中の血漿ドパミン濃度を測定: 0.013~ 0.3μg/mL.クリアランス:115mL/kg/分,分布容積1.8L/kg,T1/2 6.9分(5~ 11分)174) . ② 小児患者17例(年齢3か月~13歳,体重:5~ 73kg)に対しドパミン持続静注(1~ 20μg /kg/分)後の血漿ドパミン濃度を測定.半減期T1/2α=1.8±1.1分, T1/2β=26±14分であった.また分布容積は2952 ± 2332mL/kgであった.クリアランスは454 ± 900mL/kg/分 であった.肝機能あるいは腎機能障害はドパミンの 薬物動態に影響しなかった175) .[相互作用] ・MAO阻害薬:ドパミンの代謝が阻害され作用が増強かつ延長 ・ドパミン持続静注中にPhenytoin静注で血圧低下 ・ドパミン受容体拮抗薬 作用減弱[禁忌] 褐色細胞腫(カテコラミンを過剰に産生する腫瘍であるため,症状が悪化するおそれがある).[副作用] (有害事象) 1981年3月までの副作用頻度調査において2389例中副作用の発現例は240例(10.0%)で254件.不整脈201件(8.4%),四肢冷感12件(0.5%),嘔吐11件(0.5%)等であった.[使用上の注意事項] ドパミンはα作用を有し末梢血管を収縮させるため国内では四肢冷感が0.5%に発現している.海外ではドパミンの使用により末梢虚血と壊疽を生じ四肢の切断を 余儀なくされた4例の報告がある176) .糖尿病やしもやけなど末梢虚血を起こしやすい素因のある患者には慎重に投与する必要がある(クラスIIa,レベルC).小児で も末梢静脈挿入式中心静脈用カテーテルの先端や末梢投与部位などで血管収縮から皮膚の虚血・チアノーゼが生じることがあり注意を要する(クラスIIb,レベルC). また,アルカリ溶液内で不安定となるため炭酸水素ナトリウムとの混合は避けるべきである164) .③アドレナリン アドレナリンはα受容体およびβ受容体作動薬であり,低用量では理論的には心拍数や収縮性増大と末梢血管抵抗の減少,心拍出量増大などのβ刺激作用が優位 になるとされる160) .高用量ではアドレナリンはα 受容体刺激作用により血管抵抗を増大させ同時に心筋酸素消費量を増大させる.理論的効果は用量により変化するが,実地臨床においてはβないしα作用のバランスは予測しがたく,体血管の収縮が起こりやすい159),160) .[適応] ・国内適応:複数の適応があるが,循環器領域の適応としては「各種疾患に伴う急性低血圧またはショック時の補助治療,心停止時の補助治療」に限定される.低出生体重児,新生児,乳児,幼児又は小児では安全性が確立されていないため,少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与する. 国外での動向:アドレナリンは通常inotropic agentとして心機能不良の患者,たとえば心臓手術後急性期などに投与される(クラスIIb,レベルC).最低使用量にお いても体血管の収縮が強い患者には投与しにくく(クラスIIb,レベルC),心室後負荷を上昇させてしまうことを術後早期の患者においてよく見られる.不要な体血管 の収縮を克服するために,短時間作用型(静注)の硝酸剤血管拡張薬を注意深く併用することを考慮する159) (クラスIIb,レベルC).[用量] アドレナリンとして,通常成人1回0.2 ~ 1mgを皮下注射又は筋肉内注射する.なお,年齢,症状により適宜増減する.蘇生などの緊急時には,アドレナリンとして, 通常成人1回0.25mgを超えない量を生理食塩液などで希釈し,できるだけゆっくりと静注する.なお,必要があれば3 ~ 5分ごとにくりかえす. 多数の海外小児心肺蘇生ガイドライン177),178) およびAHFS2010179) ,Nelsonの成書163) では蘇生初期量0.01mg/kg静注もしくは0.1mg/kg 気管内投与を推奨している(クラスIIa,レベルC).最大投与量は静注1mg,気管内投与10mgで3~ 5 分おきに繰り返す163) .新生児の蘇生においては0.01~ 0.03mg/kg静注179) が推奨されている(クラスIIa, レベルC). 緊急時の心腔内投与は0.005~0.01mg/kg179) (クラスIIb,レベルC).急性心不全に対しては持続静注0.1~ 0.5μg/kg/分162) ,0.1~ 1μg/kg/分163),164) ,0.1~1.5μg/kg/分165) , 0.05~2.0μg/kg/分160),166) の記載がある.[小児での薬物動態] 重症小児患者に対する0.03~ 0.2μg/kg/分のアドレナリン持続静注下の血漿アドレナリン濃度は4360±3090pg/mL(670~ 9,430)であり用量と濃度は直線相関を 示した. アドレナリンクリアランスレートは29.3± 16.1mL/kg/分(15.6~ 79.2)で血漿濃度に依存しなかった180) .[相互作用] 血圧異常上昇:MAO阻害剤,三環系抗うつ剤(イミプラミン・アミトリプチリン等),セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI;ミルナシプラン等),その他の抗うつ剤(マプロチリン等),メチルフェニデート,分娩促進剤(オキシトシン等),エルゴタミン製剤,抗ヒスタミン剤(クロルフェニラミン・トリペレナミン等),アメジニウムメチル硫酸塩. 頻脈・心室細動:ハロゲン含有吸入麻酔薬(ハロタン,イソフルラン,セボフルラン) 異所性不整脈:ジギタリス製剤 冠不全発作:甲状腺製剤チロキシン等 血圧上昇・徐脈:非選択性β遮断薬(プロプラノロール等) 血糖降下作用減弱:血糖降下薬(インスリン等) 血圧上昇・頭痛・痙攣等:ブロモクリプチン 作用減弱:利尿剤[禁忌] 次の薬剤を投与中の患者 ① ブチロフェノン系・フェノチアジン系等の抗精神病薬,α遮断薬 ② イソプロテレノール等のカテコラミン製剤,アドレナリン作動薬(ただし,蘇生等の緊急時はこの限りでない.)[副作用] (有害事象) 重大:肺水腫(初期症状:血圧異常上昇),呼吸困難,心停止(初期症状:頻脈,不整脈,心悸亢進,胸内苦悶) 高頻度:心悸亢進,頭痛,めまい,不安,振戦,悪心・嘔吐,熱感,発汗. [使用上の注意事項] 点滴静注で大量の注射液が血管外に漏出した場合,局所の虚血性壊死を生じるため,必要な場合はただちにフェントラミンで加療する164) .また,炭酸存在下で不活化するため併用薬に注意を要する.④ノルアドレナリン ノルアドレナリンは強力なα受容体刺激作用を有し,直接の心拍出に影響を及ぼすことなく全身の血管を収縮させる.過度の血管拡張時には望ましい作用となるが, 心室後負荷が上昇しており心機能が低下傾向の症例には血行動態を増悪させる可能性がある. ノルアドレナリンは心臓集中治療における単一薬剤としては注意深く投与されるべきである.なぜなら何の代償的心血管機能の増強なく全身体血管抵抗のみを増大させるからである.それ故,ほとんど心予備能のない患者の低心拍出量を増悪させうる.それでも低用量であれば,術後の全身炎症性反応による循環不全の患者に対しては有用である(クラスIIb,レベルC).ノルアドレナリンは単剤もしくは注意深く陽性変力作用を有する薬剤とともに使用され,致命的に減少した肺血流や,拡張期流出のある際の冠動脈血流を改善させる(クラスIIb,レベルC).たとえば,Fontan conversion後の心室機能はよいが心拍出が乏しい症例,体肺シャントをおいたあとの乳児,術前に肺循環が致命的に閉塞しかけた症例などである159) ( クラスIIb,レベルC). また,β 1受容体刺激作用による強心作用がないわけではないが,α作用がきわめて強く腎虚血におちいりやすい160) .[適応] ・国内適応:各種疾患若しくは状態に伴う急性低血圧又はショック時の補助治療(心筋梗塞によるショック,敗血症によるショック,アナフィラキシー性ショック,循 環血液量低下を伴う急性低血圧ないしショック,全身麻酔時の急性低血圧など).小児適応なし. ・国外での動向: 小児での安全性および効能は確立していない179) .[用量] 点滴静脈内注射:ノルアドレナリンとして,通常,成人1 回1mgを250mLの生理食塩液,5%ブドウ糖液,血漿又は全血などに溶解して点滴静注する.一般に点滴の 速度は1分間につき0.5~ 1.0mLであるが,血圧を絶えず観察して適宜調節する. 皮下注射:ノルアドレナリンとして,通常,成人1回0.1~ 1 mgを皮下注射する.なお,年齢,症状により適宜増減する. 小児では点滴静注0.1~ 2μg/kg/分163) ,0.05~ 0.1μg/kg/分162),164) ,20~ 100ng/kg/分~ 1μg/kg/分165) ,0.05~0.5μg/kg/分166) の記載がある.[小児での薬物動態] 小児での報告なし.健常若年成人における半減期は2.4± 0.7分であった180),181) .[相互作用] MAO阻害剤,三環系抗うつ剤(イミプラミン・アミトリプチリン等),セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI;ミルナシプラン等),その他の抗うつ剤(マプロチリン等),メチルフェニデート,分娩促進剤(オキシトシン等),エルゴタミン製剤,抗ヒスタミン剤(クロルフェニラミン・トリペレナミン等),アメジニウムメチル硫酸塩で作用増強から血圧異常上昇が生じる可能性がある. また,甲状腺製剤チロキシン等との併用で冠不全発作が生じる可能性がある. 各種利尿剤で作用減弱することがある.[禁忌] ハロゲン含有吸入麻酔剤投与中もしくは他のカテコールアミン製剤投与中の患者[副作用] (有害事象) 本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない.重大な副作用(頻度不明)として徐脈(アトロピンにより容易に回復する)がある.[使用上の注意事項] ① 静脈内に投与する場合には,血圧の異常上昇をきたさないよう慎重に投与すること. ② 点滴静注で大量の注射液が血管外に漏出した場合,局所の虚血性壊死があらわれることがあるので,注意すること.原則として中心静脈ラインで維持投与する. ③ 本剤により,過度の血圧上昇を生じた場合には,α遮断薬(フェントラミンメシル酸塩等)を使用すること.
参考
カテコラミン
表7
小児期心疾患における薬物療法ガイドライン Guidelines for Drug Therapy in Pediatric Patients with Cardiovascular Diseases ( JCS2012)