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性心不全の治療
 かつてはうっ血性心不全の原因がポンプ機能不全と判明すればポンプの仕事をよりよくすることが治療戦略の柱であった.しかし現在ではポンプ機能増強ではなく,
心不全を進行させる神経体液性因子の刺激を減じることに主眼がおかれている.事実,陽性変力作用を有する薬剤では心不全の予後は改善しないが,心保護薬を用いると予後が改善することが成人領域で証明されている.代表的な心保護薬としてはレニンアンジオテンシン系を抑制するACE阻害薬(ACE-I)およびアンジオテンシ
ンⅡ受容体拮抗薬,β遮断薬,アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)が挙げられる.それぞれの薬剤の詳細については別頁を参照されたい.
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小児期心疾患における薬物療法ガイドライン
Guidelines for Drug Therapy in Pediatric Patients with Cardiovascular Diseases ( JCS2012)