ABCD Proportion survivling Years from presentation
Presenting age>1 yr to 5 yr >4 wks to 1 yr
0 to 4 wks No. at risk > 5 yrs No. at risk
0-4wks >4wks-1yr >1yr-5yrs >5yrs No Yes
No familial cardiomyopathy
Lymphocytic myocardiftia
Familial cardiomyopathy
No Lymphocytic myocardiftia
患者数死亡数死亡率(%)
平均追跡期間(月)
1年死亡率(%)
5年死亡率(%) 突然死心不全死
456 172 38 46 27 73 46 126
5 心不全の予後
 心不全と診断された小児の予後を決定するデータはほとんどない.今後の新しい薬物療法やペーシングインターベンションの出現に伴い予後の改善が期待される.小児拡張型心筋症(DCM)に関する13研究のメタ解析において一年死亡率は27%と高値をしめす(表5)108).しかし適切な除細動器植込みによりこのような症例を
救命できる可能性がある.また,心臓再同期療法効果も期待される.

 前方視的かつ大規模な多施設研究の予備試験で,ACE-I やその他の薬剤を内服して最低1か月以上安定していた心不全小児の50%以上が8か月以上経過した後の評価で改善していたという報告もある109).さらに長期の予後調査が心不全症状を伴うDCMの小児で行われている110),111)

 これらの研究によれば死亡あるいは移植に至るリスク要因は高年齢,心不全症状あり,左室収縮能(FSまたはEF)の低下,治療中に左室機能の改善がみられない,家族性心筋症,中等度以上の僧帽弁逆流,心室性不整脈が挙げられている(図9)
表5 小児拡張型心筋症患者における突然死と総死亡
図9 発症から死亡ないし心移植までの生存曲線
Daubeney P E F et al. Circulation 2006;114:2671-2678 より改変
(A)全体,(B)年齢別,(C)家族性心筋症,(D)リンパ球性心筋炎(心内膜心筋生検)
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小児期心疾患における薬物療法ガイドライン
Guidelines for Drug Therapy in Pediatric Patients with Cardiovascular Diseases ( JCS2012)