非薬物療法
食事,運動療法
6か月ごとに血圧測定
基礎疾患の検索
標的臓器障害の確認
6か月ごとに減量指導モニタリング
3回以上の血圧測定
基礎疾患の検索
標的臓器障害の確認
基礎疾患の検索
標的臓器障害の確認
専門医への紹介を検討
非薬物療法
食事,運動療法
薬物療法薬物療法減量指導
減量指導+
薬物療法
生活指導
BMI正常過体重過体重BMI正常過体重BMI正常
Yes
No
≧95th %
<90th%
or 120/80mmHg
血圧,身長,BMI測定
90-<95th% or 120/80mmHg
90-<95th%
(必要に応じて)
≧95th%持続
(本態性高血圧)
高血圧stageⅡ 高血圧stageⅠ 前高血圧正常血圧
3 薬物療法の治療方針
 本ガイドラインでは以下の項目を薬物治療の適用とする360),363)
(1)症候性高血圧
(2)二次性高血圧
(3) 高血圧に伴う標的臓器障害(左室肥大や高血圧性眼症,腎瘢痕などの臓器障害)の合併
(4)糖尿病や慢性腎疾患に合併する高血圧
(5)非薬物治療(食事・運動療法)後も持続する高血圧
(6)重度高血圧(stageⅡ高血圧)
・ 前高血圧症(90~ 95パーセンタイル):非薬物療法より開始し90パーセンタイル以下まで血圧を下げる
・ stageⅠで(1)~(4)のいずれも該当しない場合:非薬物療法より開始する.ただし(5)に該当する場合は薬物療法の適応となる.
・ stageⅠで(1)~(4)のいずれかに該当する場合:薬物療法と非薬物療法を同時に開始する.
・ stageⅡ(6)に該当する場合:非薬物療法とともに薬物療法を同時に開始する.
・ 血圧の目標値は,本態性高血圧では95パーセンタイル未満,二次性高血圧では90パーセンタイル未満とする.
・ 本態性高血圧では血圧上昇が緩徐である事が多く,食事療法,運動療法などの非薬物療法がより重要となる.
・ 薬物は単剤より開始し,血圧をみながら漸増する.最大投与量まで到達または副作用が出現した場合は別な系統の第二選択薬を追加する.薬物はアンジオテンシ
 ン変換酵素阻害薬(ACE-I),アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB),β遮断薬,Ca拮抗薬,利尿薬が適応となる(薬品名,使用量はⅣで後述する).
・ 重度の症候性高血圧では静注薬を使用(Ⅱで後述する).
・ 二次性高血圧は治療法が原疾患によって異なるためⅢで後述する.
・ 高血圧の治療方針をアルゴリズムに示す363)(図14)
 BMI の基準値は米国CDCの基準で85パーセンタイル未満とし,それ以上を過体重のリスクとして減量指導の適応とした365)
図14 高血圧の治療方針
過体重はBMI 85パーセンタイル以上とする(文献359より一部改変)
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小児期心疾患における薬物療法ガイドライン
Guidelines for Drug Therapy in Pediatric Patients with Cardiovascular Diseases ( JCS2012)